乱視用のコンタクトレンズは近視や遠視を矯正する球面レンズとは異なる、円柱レンズというレンズで視力を矯正します。
乱視用コンタクトレンズについて
乱視のメカニズム
乱視の目の光の屈折イメージ
乱視とは、正乱視と不正乱視に大別でき、通常乱視といえば正乱視を意味します。
正乱視は、角膜および水晶体が上下や左右、その他の方向に歪んでしまっている症状で、円柱レンズでの補正が可能です。
不正乱視とは、円錐角膜や翼状片など、屈折状態が不規則で、円柱レンズでは補正の出来ない乱視を総称します。共に角膜が歪んでしまっている事でものが2重に見えたり、ぼやけたり、霞んで見えたりします。
乱視の矯正方法
乱視は、近視や遠視を矯正する球面レンズとは異なり、円柱レンズという専用のレンズでの矯正が必要になります。
コンタクトレンズの場合、球面レンズと円柱レンズを合わせたトーリックレンズと呼ばれる乱視矯正用ソフトコンタクトレンズかハードコンタクトレンズによる矯正が一般的です。
正乱視は、トーリックレンズとハードコンタクトレンズ両方での矯正に適していますが、不正乱視においては、円柱レンズでの矯正が難しく、ハードコンタクトレンズでの矯正が適しています。
なおトーリックレンズの場合、乱視軸のズレを抑制し、回転しない様に特殊なデザインがされています。
乱視用コンタクトレンズの軸ズレ防止デザイン
ダブルスラブオフデザイン
ダブルスラブオフデザイン
上下方向が薄く、左右方向が厚い形をしており、レンズの薄い部分を上下の瞼と眼球で挟みこんでレンズの回転を押さえます。
瞼に直接触れる上下部分が薄い事で厚みが均一にならない乱視用レンズでも違和感を軽減する事が出来ます。だたし、乱視の方向によっては向き、不向きがあります。
ダブルスラブオフデザインを採用している乱視用のコンタクトレンズには、ジョンソン・エンド・ジョンソンの「ワンデーアキビューモイスト乱視用」、アルコンの「デイリーズアクアコンフォートプラストーリック」、メニコンの「2WEEKメニコンプレミオトーリック」などがあります。
プリズムバラストデザイン
プリズムバラストデザイン
レンズの上の方が薄く、下の方に厚みを持たせており、そのおもりがレンズの回転を抑制します。
レンズの厚い部分がおもりになって下の方を向くという効果もありますが、瞼からの圧力によっても回転を止めています。瞬目の度にレンズは瞼から圧力を受けています。
レンズに厚みの差があると厚い方から先に押し出そうとする特性があります。
プリズムバラストデザインでは下方が厚くなっているので、瞬目の度にレンズは正しい向きを向く様に力を受けるようになります。
プリズムバラストデザインを採用している乱視用のコンタクトレンズには、シード「1dayPureうるおいプラス乱視用」、ボシュロム「メダリストワンデープラス乱視用」、クーパービジョン「バイオフィニティトーリック」等があります。