眼内炎には細菌や真菌が手術の切開部や眼球の怪我から侵入する外因性のものと、原因菌が血流に乗って目に波及する内因性のものがあります。
眼内炎について
眼内炎とは
眼内炎とは眼の中で起こる感染症のことです。
眼内炎の原因
眼内炎は、
- 細菌や真菌(カビなど)が手術の切開部や眼球の怪我から侵入するもの(外因性のもの)と、
- 原因菌が血流に乗って目に波及するもの(内因性のもの)
に分かれます。
内因性で起こるほとんどの患者様に、
- 糖尿病を患っている
- 抗がん薬投与を受けている
- 体が弱り、免疫力が落ちている
- 血管内カテーテル(栄養のチューブ)が挿入されている
などが認められます。
眼内炎の症状
ひどい眼の痛み、眩しさ、充血、急な視力低下、視力の部分的または完全な欠損(失明)をおこすこともあります。
内因性真菌性眼内炎の場合、眼の症状が出る前に発熱があることが多いです。
その後に虫が飛んでいるように見える飛蚊症や、霧がかかるように見える霧視などの症状が出ます。
眼内炎の治療
外因性のほとんどが術後2から3日ほどで発症しますが、原因となる菌によっては術後半年から1年以上経過してから起こる場合もあります。
内因性のものはいつ発症するのかわかりにくいため、上記の症状が出たら早めに眼科へ受診してください。
眼内炎は緊急を要する病気なため、早急に感染の原因微生物を特定します。
そこから眼内炎の原因であると判明した微生物に応じて、抗菌薬または抗真菌薬を調整し、眼内に注射、あるいは点滴または経口で投与します。
感染をくい止める確率を上げるため、眼球内部の感染組織を取り除く手術が必要になる場合もあります。
眼内炎の予防
眼内炎になることを完全になくすことはできませんが、リスクは少なくできます。
患者様側は以下のことに注意しましょう。
- 内因性のものは、今罹っている病気を治療すること。
- 手術などの治療による外因性のものに対しては、治療前の抗菌薬の使用。
- 眼を清潔に保つこと。