網膜色素変性とは眼の中で光を感じる網膜に異常がみられる遺伝性の病気で、進行性の病気ですが進行は緩やかで数年あるいは数十年かけて進行します。
網膜色素変性
網膜色素変性とは
網膜色素変性とは眼の中で光を感じる網膜に異常がみられる遺伝性の病気です。症状としては夜盲・視野狭窄・視力低下の3つがあげられます。
- 夜盲
- 夜やうす暗い部屋でものが見えにくくなる
- 視野狭窄
- 少しずつ夜盲が進行し見える範囲が周辺部から中心に向かい狭くなっていく
- 視力低下
- 視野狭窄が進行すると歩く時など足元が分かりにくくなったり横から出てくる人に気づきにくくなったりし視力低下を自覚するようになっていく
進行性の病気ですが進行は緩やかで数年あるいは数十年かけて進行します。進行速度には個人差があり症状の起こる順序も様々です。
他の眼の合併症としても早期から白内障を合併します。
網膜色素変性の検査
眼底検査
目薬で瞳孔を開いて眼底の状態を調べます。
病気の初期の頃には網膜の色調が乱れることによる「ごま塩状」の眼底変化がみられ進行すると骨小体様色素沈着が眼底周辺部にみられます。
後期には視神経乳頭も委縮し白くなります。
視野検査
見える範囲を調べるもので進行状態を調べるのに重要な検査です。
進行していくと視野が狭くなっていき周辺部の視野が失われ中心の視野だけが残ります。
網膜色素変性の治療
一般的にはビタミンA、Eや血管拡張薬、網膜色素変性症における一時的な視野・暗順応の改善が見込まれるアダプチノールという内服が有効とされていますが、現在確立されている治療方法はなく現在精力的に研究がすすめられている段階です。
根本的治療はできませんが、残されている視機能を有効に活用するには弱視眼鏡なども有効です。白内障を合併している場合には白内障手術も有効です。