加齢により変質した硝子体が目の奥の網膜から離れていく状態を硝子体剥離といいます。
後部硝子体剥離
後部硝子体剥離とは
硝子体と網膜
本来硝子体と網膜は密着した状態にあります。
硝子体は水・コラーゲン・ヒアルロン酸などからなるゼリー状の組織であり眼球の中を満たしておりますが、加齢とともに変質し、ゼリー状から液状へと変化していきます。
それにより硝子体が目の奥にある網膜から離れていき、これを硝子体剥離といいます。
硝子体剥離自体は加齢によるものであり、病的な変化ではありません。
強度近視の方は早期に起こる場合もあります。
後部硝子体剥離の症状
後部硝子体剥離になると、飛蚊症といって黒い点や糸くずのようなものが飛んで見えることがあります。
これは硝子体の濁りや繊維が影として網膜に映り飛蚊症として自覚されることで起こります。これを生理的飛蚊症といいます。
光がピカッと走って見える光視症を自覚することもあります。
注意が必要な後部硝子体剥離
上記で説明したように、後部硝子体剥離自体は病的な変化ではありませんが、中には注意が必要な場合もあります。
硝子体が網膜から離れる際に、まれに網膜も一緒に強く引っ張ってしまい、それにより網膜剥離や硝子体出血などを引き起こすことがあります。
ひとこと
網膜剥離や硝子体出血などになった場合、処置や手術が必要になる可能性があるため、今まで見えなかった飛蚊症が見えたり飛蚊症の量が増えたりと、見え方に何か変化を感じた場合は眼科を受診することをおすすめします。
必要な検査
硝子体剥離を調べるには眼底検査を行います。
瞳孔を広げる目薬を点眼し、眼球から目の奥の状態を詳しく診ます。
眼底検査は目薬を点眼してから瞳孔が広がるまでに30分前後お時間がかかるため、受付終了時間の30分以上前までにお越し下さい。
また瞳孔を広げることにより5~6時間ぼやけて見えづらい状態が続きますので、車の運転は控える必要があります。