眼科で使われる言葉の意味「た」

眼科で使用される言葉や病名、目に関する部位の名称など、眼科で使われる言葉の意味を「た」の段について簡潔に説明しています。

言葉の意味

「あ」「か」「さ」「た」「な」「は」「ま」「や・ら・わ」

「た」から始まる言葉

多焦点レンズ (たしょうてんれんず)
単焦点レンズとは異なり、ピントが合う距離が複数になる為、遠方と近方の両方にピントを合わせることができます。その為、眼鏡を使用する頻度は単焦点と比べて少なくなり、煩わしさを減少させることが可能です。
ただし、若い頃のように眼鏡なしで全ての距離にピントを合わせられるわけでははありません。また、多焦点レンズは保険適用ではありません。
目の状態によっては多焦点レンズが選択できない場合もありますので、医師とよく御相談下さい。
単純近視 (たんじゅんきんし)
矯正視力が良く、視機能に異常がない近視のことを言います。学校近視と言われることもあります。
単純網膜症 (たんじゅんもうまくしょう)
眼底に点状・斑状の小さな出血がみられるようになった時期で、視力低下はあまりみられません。血糖コントロールと眼科的経過観察が主体となります。
単焦点レンズ (たんしょうてんれんず)
ピントが合う距離が1つ。レンズ挿入後は見え方に濁りがなくなり、明るく見えやすさを感じますが、焦点が1つしかない為、手元と遠くの両方の距離がはっきりと見えるようになるわけではありません。その為、用途に応じた眼鏡が必要になってきます。
(※見る距離については、手術前に医師と御相談下さい。)
中心暗点 (ちゅうしんあんてん)
視野上の見えない部分(視野欠損)のこと。
視野の中心に現れる暗転は中心暗転と呼ばれ、視力低下に繋がってきます。
中心窩 (ちゅうしんか)
網膜の最も後方の部分を黄斑部といい、中心窩はその中央部にあります。網膜が特に薄くなっており、血管がなく、視覚が最も鋭敏な部分です。
眼の仕組みについて詳しく
中心性網膜炎 (ちゅうしんせいもうまくえん)
物を見るのに重要な眼底の中心(黄斑)に水が溜まり、網膜剥離が発生する病気。
中心性網膜炎について詳しく
中途失明 (ちゅうとしつめい)
もともと視力があった状態から、何らかの原因で視力を失ってしまうこと。
原因として最も多いのは、緑内障・糖尿病網膜症・網膜色素変性症です。
調節異常 (ちょうせついじょう)
ピントを合わせる力が上手く働かない状態のこと。老視、調節麻痺、調節痙攣等が該当します。
チン小帯 (ちんしょうたい)
毛様体小帯とも呼ばれます。毛様体と水晶体の間に位置し、水晶体を支える役割を果たしています。
また、毛様体筋と共に水晶体の厚みを調節し、ピントを合わせる働きもしています。
眼の仕組みについて詳しく
テクノストレス眼症 (てくのすとれすがんしょう)
長時間のパソコン作業等を行うことで発症する身体的・精神的疾患の総称です。VDT症候群とも呼ばれます。
疲れによる充血や霞み、視力低下のほか、肩こり、吐き気等の症状が出ます。
(※VDTとはコンピューターやテレビゲーム等、画面を表示する機器のこと)
デスメ膜 (ですめまく)
角膜を構成する層のひとつ。
角膜内皮の基底膜であり、厚さ5~10nmです。非常に丈夫で、加齢と共に肥厚していきます。
動眼神経 (どうがんしんけい)
目の周りにある、内直筋・上直筋・下直筋・下斜筋・上眼瞼挙筋・瞳孔括約筋を動かす神経。
動眼神経麻痺 (どうがんしんけいまひ)
目の周りにたくさんある筋肉を動かす動眼神経が、何らかの原因で麻痺して動かなくなる状態を動眼神経麻痺と言います。
動眼神経麻痺について詳しく
瞳孔 (どうこう)
眼の中央に位置し、虹彩によって囲まれた黒色の孔のこと。一般に「瞳」と呼ばれている。
糖尿病 (とうにょうびょう)
血液中の糖の濃度が高く、その状態が長く続く病気。
血糖が高まった結果、尿の中にぶどう糖が排出されることから、「糖尿病」と言われています。
通常の糖尿病では自覚症状はみられませんが、血糖値がかなり上昇してくると口の渇き・多飲・多尿・食べても痩せるといった症状がみられるようになります。更に、昏睡・意識障害・腹痛等をきたすこともあります。
糖尿病の三大合併症の一つとして、糖尿病網膜症が挙げられます。
糖尿病網膜症 (とうにょうびょうもうまくしょう)
糖尿病の三大合併症の一つとして挙げられるものが網膜症。
働き盛りの年代に発症しやすいと言われています。自覚症状が乏しい為、疾患に気付かずそのまま失明に繋がる危険性があります。
罹病期間が長いほど発症率も高く、血糖コントロールの状態が長期間悪いままの場合、網膜を始めとした眼組織に様々な障害を起こします。
血糖値が高い状態が続くと、網膜にある毛細血管がつまったり変形したりする等の負担を受ける為、血流が悪くなります。その為、全体に酸素が行き渡らなくなるので、網膜が酸欠状態になってしまいます。そこで、酸欠状態を補う為に新しい血管(新生血管)を作り、酸素を取り入れようとする働きが起こります。しかし、新生血管は脆く傷がつきやすい為、簡単に破れて出血を引き起こしてしまいます。また、出血が起こると網膜に増殖組織というかさぶたのような膜が生じ、これが原因で網膜剥離が起こる事もあります。
糖尿病網膜症について詳しく
兎眼 (とがん)
主に顔面神経麻痺が原因で起こる症状のこと。瞼が閉じづらくなることで眼の表面が強く乾燥し、痛みを伴った角膜疾患を引き起こします。
ドライアイ (どらいあい)
涙の減少や質の変化によって、眼の表面を潤す力が低下した状態をドライアイと言います。
ドライアイについて詳しく