眼科で使われる言葉の意味「さ」

眼科で使用される言葉や病名、目に関する部位の名称など、眼科で使われる言葉の意味を「さ」の段について簡潔に説明しています。

言葉の意味

「あ」「か」「さ」「た」「な」「は」「ま」「や・ら・わ」

「さ」から始まる言葉

細菌性角膜炎 (さいきんせいかくまくえん)
細菌が原因で起きる角膜の炎症のことで、症状として強い目の痛み、大量の涙や眼脂(目やに)が出るなどがあります。
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細隙灯顕微鏡 (さいげきとうけんびきょう)
目の表面の様子から眼底などの目の奥の様子まで観察することが出来る顕微鏡。
通常眼科の診察室に設置し、診察時にも頻繁に使われる。
サルコイドーシス (さるこいどーしす)
サルコイドーシスはぶどう膜炎の一種で、眼以外にも全身の多彩な臓器(肺、心臓、リンパ節、皮膚、骨、肝臓など)に肉芽腫病変ができる病気です。
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シェーグレン症候群 (しぇーぐれんしょうこうぐん)
唾液腺や涙腺といった外分泌腺の障害により、口腔や眼の乾燥を引き起こす自己免疫疾患の一種です。40~60歳の女性に特に多く発症します。
色覚異常 (しきかくいじょう)
色覚異常とは、全く色が見えないというわけではなく、色の区別がしにくい状態をいいます。
色覚異常について詳しく
視神経 (ししんけい)
脳神経の一つであり、視覚を司っています。網膜に入ってきた光刺激を脳に伝える役割を果たしています。
眼の仕組みについて詳しく
視神経炎 (ししんけいえん)
視神経炎とは、視神経の炎症により視機能障害を起こす病気。
視神経炎について詳しく
視神経乳頭 (ししんけいにゅうとう)
眼底に位置し、視神経線維が集中している部位。視神経はここから頭蓋内に送られています。
また、マリオット盲点と呼ばれる生理的に見えない部分(暗点)も視神経乳頭に相当します。
視神経乳頭炎 (ししんけいにゅうとうえん)
視神経炎のうち、眼球に近い部分の視神経の障害です。
失明 (しつめい)
両眼とも光覚を感じなくなった状態のこと。
日常生活に著しい不便さを伴う視覚障害も失明と称されることもあります。
視野 (しや)
眼に見える範囲のこと。
視野狭窄 (しやきょうさく)
視野の広さが狭くなる状態のこと。
緑内障や網膜剥離、ヒステリー等で症状がみられ、視野全体が狭くなる求心狭窄と視野の一部分が不規則な形で狭くなってしまう不規則狭窄があります。
弱視 (じゃくし)
視力が発達途中で障害され、眼鏡やコンタクトレンズを使用しても視力が回復しない状態のことを言います。
視力発達は7~9歳の間で止まってしまう為、弱視の疑いがみられるお子様の場合は早期治療をお薦めします。
弱視について詳しく
視野欠損 (しやけっそん)
視野の一部が欠けたり、広さが狭くなる等の症状がみられる状態のこと。
症状が軽度の場合は気付きにくく、そのまま放置してしまうと緑内障等の病状が進行してしまう場合がある為、注意が必要です。
視野検査 (しやけんさ)
視神経の障害や緑内障等の眼疾患を調べる検査のこと。まっすぐ前方を見ている時に、上下左右と前方がどの位の範囲で見えているかを片眼ずつ測定します。
斜視 (しゃし)
片方の眼が見ようとする目標を見ているにも関わらず、もう片方の眼が目標と違う方向を向いている状態になることがあります。これを斜視といいます。
斜視について詳しく
主涙腺 (しゅるいせん)
涙の分泌器官のこと。
シュレム管 (しゅれむかん)
角膜の周りを囲んでいる組織の1つで、隅角に開いている小さな孔のことをさします。房水を排出する役割を果たしています。
眼の仕組みについて詳しく
小眼球 (しょうがんきゅう)
生まれつき眼球の大きさが小さい病気のことで、胎内で眼球の形がつくられる早い時期に眼球全体の発達が障害されて小眼球となります。
上眼瞼 (じょうがんけん)
上まぶたのこと。
硝子体 (しょうしたい)
眼球の器官の一つで、水晶体の後方にあり、眼球内の大部分を満たしている無色透明なゼリー状の組織です。
眼球の形を保ち、光を屈折させます。また、外力からのショックを吸収する役割を果たしており、年齢と共に構造が変化し、徐々に収縮・変性していきます。
ゴミや虫が飛んだように見える、いわゆる飛蚊症はこの硝子体が変性した影が見える状態のことです。(※これは症状名であって病名ではありません。)
眼の仕組みについて詳しく
硝子体出血 (しょうしたいしゅけつ)
網膜静脈閉塞・黄斑変性・網膜剥離・糖尿病網膜症等、様々な疾患が原因で出血したものが硝子体中に溜まった状態のこと。
出血により、光が網膜へ届きにくくなる為、飛蚊症や視力低下等がみられるようになります。
出血自体はほとんどが短期間で止まりますが、ゼリー状である硝子体内に留まってしまうと吸収に2~3ヶ月かかってしまいます。
硝子体出血について詳しく
硝子体手術 (しょうしたいしゅじゅつ)
硝子体組織がなんらかの原因によって網膜を牽引したり、炎症を持続させたり、混濁や出血を含むことによって網膜へ光が達する妨げになる場合に、組織の除去を行います。また、網膜にできた穴(裂孔)等を治療する目的でも行われます。
硝子体手術について詳しく
上涙点 (じょうるいてん)
目の瞼にある涙の通り道のこと。上涙点と下涙点の二つに分けられます。
シルマー試験 (しるまーしけん)
涙の量を調べる検査。
細い濾紙を下まぶたに挟み、約5分後に濾紙が濡れた部分の長さで診断します。
神経網膜 (しんけいもうまく)
眼の奥にある、ものを見る重要な部分である網膜は10層で構成されており、そのうちの内側9層のことを神経網膜と言います。神経網膜には光を感じる細胞が並んでいます。
人口涙液 (じんこうるいえき)
涙の成分に似せて作られた点眼薬のこと。眼の乾燥対策として使用されることが多いです。
滲出型加齢黄斑変性 (しんしゅつがたかれいおうはんへんせい)
網膜の中心部である黄斑が、加齢に伴い網膜色素上皮の下に溜まった老廃物に障害される病気のことです。
黄斑変性は萎縮型と滲出型に分けられ、滲出型は滲み出てきた水が黄斑部を障害し、時に出血を伴うこともあります。
新生血管 (しんせいけっかん)
もともと存在する血管が、詰まり等が原因で血液が通らなくなってしまった時に、それを補う為に新しく作られた血管のことです。非常に脆く破れやすい血管の為、出血の原因になることがあります。
新生血管抜去術 (しんせいけっかんばっきょじゅつ)
新生血管を硝子体手術で直接取り除く治療法のこと。
新生児涙嚢炎 (しんせいじるいのうえん)
涙の通り道の鼻涙管が新生児の場合塞がっていることがあります。鼻涙管がふさがっていると涙が鼻へと流れることができません。そうすると、涙嚢内に涙が溜まり細菌感染して炎症を起こしてしまうことがあります。これを新生児涙嚢炎といいます。
新生児涙嚢炎について詳しく
頭蓋内圧亢進 (ずがいないあつこうしん)
脳の中の圧が高くなること
水晶体 (すいしょうたい)
眼球の器官の一つ。外から入ってきた光を網膜に伝え、像のピントを合わせる、いわゆるカメラのレンズの役割をします。また、紫外線を吸収し、眼を守る役割も果たしています。
周囲にある毛様体という筋肉に繋がっており、その間はチン小帯で支えられています。毛様体にある毛様体筋の収縮・弛緩により水晶体の厚みを調節することで、遠近のピント合わせを行います。
加齢と共に硬くなっていく為、焦点を調整することが次第に困難になっていきます。
眼の仕組みについて詳しく
水頭症 (すいとうしょう)
脳脊髄液が過量にたまることにより脳室が正常より大きくなる病気
水疱性角膜症 (すいほうせいかくまくしょう)
角膜内皮細胞の極度の減少により角膜に多量の水が溜まり、水疱ができる病気。
角膜内皮が障害され、角膜内皮細胞の数が極端に減少することで生じます。
水疱性角膜症について詳しく
ステロイド剤 (すてろいどざい)
膠原病治療に最も有効な治療薬。炎症を鎮め、免疫を抑制させる効果があります。ただし、稀に眼圧が上がる等の副作用が起きることがある為、定期健診が不可欠になります。
スリットランプ (すりっとらんぷ)
眼科の診察で使用する、顔を固定するフレームの付いたライト付きの顕微鏡です。細隙燈(さいげきとう)とも呼ばれています。
眼を拡大して詳しく見ることができる他、立体的に観察することも可能です。
正視 (せいし)
屈折異常がなく、正常な視力をもつ眼のこと。
正常眼圧緑内障 (せいじょうがんあつりょくないしょう)
眼圧が正常範囲内であるにも関わらず、視野が欠ける等の緑内障症状が発症する病気のこと。
初期段階では自覚症状が小さい為、症状を自覚した段階では病状が大きく進行してしまっている場合があります。
緑内障について詳しく
精密眼底検査 (せいみつがんていけんさ)
眼の奥にある眼底を検眼鏡を使用して観察する検査のこと。
眼底の血管、網膜、視神経を調べることが可能な為、網膜剥離や眼底出血、緑内障等の病気を発見することができます。
生理的陥凹 (せいりてきかんおう)
眼底にある視神経乳頭の陥凹が生まれつき深い状態であること。
生理的飛蚊症 (せいりてきひぶんしょう)
本来であれば胎児期に消失する硝子体内の組織がそのまま残り、飛蚊症として感じること。これは病気ではなく進行もしない為、そのままの状態で問題はありません。
繊維柱帯 (せんいちゅうたい)
毛様体で作られた房水をろ過する役割を果たす部位のこと。
洗眼 (せんがん)
眼を洗浄すること。
閃輝暗点 (せんきあんてん)
視界の中心部付近にチカチカした光が輝いたり、稲妻のような光が出現し、見えづらさが出る状態です。
片頭痛の前兆として現れることが多い症状として知られており、片頭痛がひどいと強烈な吐き気・嘔吐などの症状を伴うこともあります。片頭痛の症状が現れない場合は、まれに脳腫瘍・脳梗塞・脳動静脈奇形による一過性の脳循環障害が原因である可能性もあります。
先天白内障 (せんてんはくないしょう)
母親が妊娠中にウイルス感染(風疹など)したことにより胎児にまで影響したことが原因で発症する先天性の白内障
白内障について詳しく
先天緑内障 (せんてんりょくないしょう)
胎児の緑内障のこと。生まれつき線維柱帯の機能が低下し房水の排出機能が悪いと、高眼圧となり病気を発症していまいます。角膜が大きくなる為、「牛目」とも呼ばれています。
緑内障について詳しく
前房 (ぜんぼう)
角膜と水晶体で囲まれている部分は、虹彩を境に前面は前房、後面は後房と呼ばれており、中は房水で満たされています。
眼の仕組みについて詳しく
増殖性硝子体網膜症 (ぞうしょくせいしょうしたいもうまくしょう)
網膜が剥がれ、その範囲の視野が黒いカーテンで遮られるような視野欠損が起きたり、剥離が黄斑部に達すると急激な視力低下が起き、放置したままだと失明に繋がる場合もある病気です。硝子体手術で治療することにより、進行を抑えることができます。
増殖前網膜症 (ぞうしょくぜんもうまくしょう)
網膜の細小血管に閉塞が起こる時期。自覚症状は軽度ですが、危険な状態に入っており、黒いものが飛んでいる(飛蚊症)ような感じがしたり、霞んで見えたりします。この時期には、増殖期への進行を防ぐ為にレーザー治療を行います。
網膜症はこの時期を見逃さないことが治療のポイントとなる為、自覚症状を感じ始めたら早い段階での眼科受診をお薦めします。
増殖膜 (ぞうしょくまく)
網膜の新生血管の周りににできたかさぶたのようなもの。成長過程で収縮する傾向がある為、そのままにしておくと網膜を引っ張り、剥離を引き起こしてしまいます。
増殖網膜症 (ぞうしょくもうまくしょう)
網膜に新生血管(破れやすい血管)や増殖組織ができた時期。激しい衝撃や血圧の上昇で簡単に出血してしまう為、飛蚊症や視力障害などを自覚するようになります。さらに、網膜と硝子体の境目に線維性増殖膜と呼ばれる薄い膜ができ、その膜が収縮することにより網膜剥離を引き起こします。
ここまで進行するとレーザー治療だけでは完治が難しく、手術が必要となるケースが多いです。手術で硝子体の濁りや網膜剥離は60~70%治りますが、完全な視力回復は難しいと考えられています。
続発性網膜剥離 (ぞくはつせいもうまくはくり)
眼球内に腫瘍ができたり、ぶどう膜に炎症があったりすると、網膜血管や脈絡膜の血液中から水分が滲み出します。その水分が網膜の下に溜まることで起きる剥離のことを続発性網膜剥離と言います。
剥離が起きると、視野欠損、視力低下、飛蚊症の症状がみられます。
網膜剥離について詳しく
続発性緑内障 (ぞくはつせいりょくないしょう)
ぶどう膜炎・角膜炎・白内障術後、ステロイド剤長期投与等、もともと眼に疾患があり、それが誘因として眼圧上昇が起きた状態のことを続発性緑内障と言います。
緑内障について詳しく