眼科で使われる言葉の意味「あ」

眼科で使用される言葉や病名、目に関する部位の名称など、眼科で使われる言葉の意味を「あ」の段について簡潔に説明しています。

言葉の意味

「あ」「か」「さ」「た」「な」「は」「ま」「や・ら・わ」

「あ」から始まる言葉

IgE抗体 (あいじーいーこうたい)
免疫グロブリン(抗体)の一種。花粉等の異物が体内に侵入すると作られ、花粉症や喘息といったアレルギー反応を引き起こします。
アカントアメーバ (あかんとあめーば)
アメーバ型の原生生物の一種。眼球とコンタクトレンズの間でも増殖する為、感染したコンタクトレンズを使用することで角膜炎を引き起こすことがあります。
アカントアメーバ角膜炎 (あかんとあめーばかくまくえん)
アカントアメーバに感染したコンタクトレンズを使用することで発症します。
痛みが非常に強く、涙・充血といった症状が出てきます。発症は稀なことですが、角膜の感染症の中で最も重症な状態です。
アデノウィルス (あでのうぃるす)
感染型のウイルスで、「風邪症候群」を起こす主要病原ウイルスと考えられています。便や飛沫等、直接媒体に接触した場合に感染し、5~7日間程潜伏期間があります。免疫がつきにくい為、何度も感染するケースもあります。
※主な病名:肺炎、咽頭結膜熱(プール熱)、流行性角結膜炎etc.
アトピー性皮膚炎 (あとぴーせいひふえん)
主にアレルギー反応からくる皮膚の炎症のことで、痒みを伴う湿疹ができます。遺伝的体質と環境等が強く関係するものと言われています。
アトピー性皮膚炎の人の皮膚は、バリア機能が低下していたり、掻き壊しが原因の傷があることから、細菌やウィルスに感染しやすくなっています。眼への関連性としては、激しい痒みの為に顔を強く叩いたり擦ったりすることで、網膜剥離や白内障といった合併症を引き起こすこと考えられています。加齢からくる白内障とは違い、水晶体が核から濁っていく為、「アトピー性白内障」と呼ばれることもあります。
アトピー体質 (あとぴーたいしつ)
アレルギー反応で起こる過敏症の一つ。食事・生活・有害物質の3要因で体質化してしまいます。
アレルギー (あれるぎー)
免疫反応が異物(抗原)を排除する為に働く生理機能。
アレルギー疾患 (あれるぎーしっかん)
アレルギーが原因で起こる疾患で、アトピー性疾患を主体とするものが多いです。
※主な病名:アレルギー性結膜炎、花粉症、気管支喘息etc.
アレルギー性結膜炎 (あれるぎーせいけつまくえん)
眼や眼の周りの痒み、異物感といった症状が出ます。ある季節に毎年起きること、程度の差はありますが両眼に症状が出ることが特徴です。
一方で年間を通じて症状が出る通年性アレルギーというものもあります。イネ科・キク科等、原因物質も様々です。
アレルギー性結膜炎ついて詳しく
アレルゲン (あれるげん)
アレルギーを引き起こす原因となるもの。
暗点 (あんてん)
視野上の見えない部分(視野欠損)のこと。視野の中心に現れる暗転は中心暗転と呼ばれ、視力低下に繋がってきます。
萎縮型加齢黄斑変性 (いしゅくがたかれいおうはんへんせい)
網膜の中心部である黄斑が、加齢に伴い網膜色素上皮の下に溜まった老廃物に障害される病気のことです。
黄斑変性は萎縮型と滲出型に分けられ、萎縮型は徐々に組織が萎縮していき、網膜が障害されることによって視力低下が起こります。
咽頭結膜熱 (いんとうけつまくねつ)
夏風邪疾患の一つで、アデノウイルスによる感染症。プールを介して感染する事が多い為、「プール熱」とも呼ばれています。
4~5日間潜伏した後、突然38~40℃の高熱が続き、喉の腫れや結膜炎を引き起こします。
ウィルス性急性結膜炎 (うぃるすせいきゅうせいけつまくえん)
アデノウイルスの感染により起こる結膜炎。流行性角結膜炎や咽頭結膜熱、はやり目とも呼ばれます。
1週間から10日潜伏した後、充血・目やに・涙・異物感の症状が発症します。感染力が非常に高く、集団感染等の原因にもなる為、幼稚園や保育園、学校では出席停止の指示が出ます。
エキシマレーザー (えきしまれーざー)
生体組織に火傷をほとんど起こすことなく切開・切除が可能な医療用レーザー。
元々は工業用として利用されていましたが、最近ではレーシック等の視力矯正手術にも使用されています。
遠視 (えんし)
遠方から眼の中に入った光が網膜よりも後ろにピントが合う状態のこと。
遠視は遠くが見える良い眼と勘違いされがちですが、遠近共にピントが合っていない状態のことを指します。しかし、水晶体がレンズの働き(調節)をする為、若い頃は問題なく物を見ることができます。
遠視ついて詳しく
円錐角膜 (えんすいかくまく)
角膜に起こる非炎症性変性疾患で、中央部の角膜が薄くなり、角膜が前方へ円錐状に突出していく病気です。
円錐角膜ついて詳しく
黄斑 (おうはん)
網膜の中心部にある黄色い部位で、色覚や視力の司る最重要器官です。
黄斑の中央は網膜が凹んでおり、この部分を中心窩(ちゅうしんか)と呼びます。
眼の仕組みについて詳しく
黄斑円孔 (おうはんえんこう)
物を見る中心である黄斑の網膜に丸い穴(円孔)が開く病気。
外傷や他の病気に続発して起きる場合もありますが、多くは加齢によるものと考えられています。
黄斑円孔ついて詳しく
黄斑ジストロフィー (おうはんじすとろふぃー)
黄斑ジストロフィーとは、何らかの遺伝子異常により、黄斑部の機能障害を引き起こす疾患であると考えられています。
自覚症状としては徐々に進行する両眼の視力低下・中心部の視野異常・色覚異常・眩しさなどがあります。視力低下は進行すると矯正視力が0.1以下になることも多くあります。
黄斑症 (おうはんしょう)
網膜の中心部である黄斑が、加齢に伴い網膜色素上皮の下に溜まった老廃物に障害される病気のことです。
黄斑上膜 (おうはんじょうまく)
物を見る中心である黄斑部に膜が張る病気。主な原因は加齢によるものです。
生理的な変化により、網膜から離れた硝子体が一部黄斑部に残って分厚くなったものを指します。
黄斑上膜ついて詳しく
黄斑前膜 (おうはんぜんまく)
黄斑上膜の別名。
黄斑部 (おうはんぶ)
眼の一番奥(眼底)にある網膜の中心部のこと。
カメラでいうフィルムの役割をしており、物を見る時にとても重要な部位です。眼底内でも際立って黄色くなっている為この名称がついており、色や明るさを識別する視細胞が多く集まっています。この中でも特に光を感じる場所を中心窩(ちゅうしんか)と言います。
眼の仕組みについて詳しく